白山 Mt.Hakusan 五泉市



五泉市の南端、加茂市との境にある霊峰白山は、4月の第1日曜日に山開きが行われる。北は神戸山、南は宝蔵山、權ノ神岳、粟ヶ岳に連なり、仙見川、滝谷川、能代川の源流を成している。
古くは薬師嶽、大峰などと呼ばれ、薬師如来が祭られている霊峰と信仰されてきた。慈光寺がこの地に建立される以前は白山信仰が隆盛を極めていた。頂上には白山権現を祀る祠があり、当地に白山信仰の基地があったことを偲ばせる。
近年まで修験者の修行がさかんで寒行が行われていたという。今でも山道に不動明王や修業場としての滝のなごりが見られる。
黄金の里会館前に車を停めたら、登山口へ。登山道は滝谷川の右岸に沿ってつけられた「白山尾根線」と「田村線」があり、白山尾根を登って田村線を下るのが一般的だ。木々には鳥がさえずり、花の時期には無数のイワウチワが咲き、イワカガミなど豊富な山である。
頂上手前にはよく整備された避難小屋がある。近くには鯖ヶ池がある。雨乞いの池として、また天然記念物のサンショウウオがいる池として知られている。
鯖ヶ池には、白山信仰と結びつく伝説が残っている。昔多くの「毛ガニ」がこの池に生息しており、これを新潟の白山神社に送ったら、鯖を返礼として送って来たので、池に放したことから鯖ヶ池の名称が生まれたといわれる。※ストリートビュー
山頂からの眺望は、五剣谷岳、矢筈岳など川内の山々や粟ヶ岳、はるか遠くに佐渡を望むこともできる。
登山口に向かう麓には古木の参道「慈光寺の杉並木」や古刹慈光寺がある。かつて越後禅門における四ヶ道場の1つとして栄えた。(案内図)

🔶白山尾根線

慈光寺山門前に到着する。普通車なら慈光寺の山門前の広場(約20台)に駐車することも可能だ。案内板と登山届があるので記入する。白山はコース上で水の補給が難しいので、ここで水を補給しておく。
滝谷川右岸沿いの林道をそのまま進むと、左手に田村線登山口があり、さらに5分ほど行くと木橋を渡り、尾根コース1合目の尾根線登山口に着く。
ここから高木の中をひたすら登る300メートルの急登となる。尾根に出て傾斜が緩くなったところが3合目。広場となっていて林の奥に石の白山明神祠社が祭られている。ここから尾根上の道となるが、春にはイワウチワが多く咲き、イカリソウオオイワカガミなども混じって登山者の疲れを癒してくれる。ブナ林の中を進むと5合目「見晴らし」で、眼下には美しい景色が広がっている。
さらに30分ほど進むと7合目。痩せ尾根の急坂となり、笹藪の小道になると9合目に着く。
頂上直下の避難小屋は2階建ての立派な小屋である。小屋の近くに鯖池がある。
山頂からの眺望はよく、眼下には広大な越後平野、右に大蔵山、菅名岳、はるか飯豊連峰まで見わたせる。背後の宝蔵山、權ノ神岳、粟ヶ岳へは避難小屋脇から縦走路が続いている。
田村線を下るが、残雪期には仙見川の尾根に入り込まないよう注意したい。平坦な頂上を少し南に向かって歩き、左に曲がると急な下りとなる。30分ほど下ると道は平らとなり7合目に「天狗の腰掛」と呼ばれるブナの大木がある。ここより緩登10分で「袴腰」に到着。袴腰の平頂を越して20分下ると5合目のスギとブナの広場に出る。水場の標識もあるが、50mほどの急な下りでヒルも出るので注意が必要である。送電線鉄塔から先、一気に下り、天狗堂脇に出て慈光寺境内に入る。


























白山 山小屋 蛭野登山口