清津峡 Kiyotsukyo 十日町市



新潟県が全国に誇る景勝地「清津峡」は、1949年(昭和24)9月に国立公園(上信越高原)に指定され、その豪快雄大なる閃緑粉岩の巌礁美と柱状節理の荘厳さは黒部峡谷・大杉谷とともに日本三大峡谷のひとつに数えられている。
清流として名高い清津川は、長野県境湯沢町の佐武流山(2192m)を源流部とする信濃川の支流である。柱状節理の岩肌が約12キロにわたって連続する清冽な流れの大渓谷で、清津トンネル手前の清津峡瀬戸口の湯からはじまり清津川上流の湯沢町八木沢までが「清津峡」と呼ばれてる。1941年(昭和16)に国の名勝天然記念物に指定された。

(柱状節理)

清津峡のダイナミックな景観は、約1,600万年前から始まる火山活動と、その後の地殻変動、河川の浸食という気の遠くなるような長い年月を経て形作られた。
柱状節理とは、岩が冷やされる際に体積が収縮することによって、冷却面に垂直に六角柱状の節理が生じたもの。太古の昔からの大地の営みが生み出した、天然の芸術品である。
周辺の山脈を大きく侵食し、両岸数十メートルにそそり立つ柱状節理の絶壁と急流の取り合わせのすばらしさは、上信越高原国立公園中でも最も美しい渓谷といわれている。
また清津峡には、狐・狸・貂・熊・むささび等獣の生息、みみずく・仏法僧・鷹等数十種類の野鳥、高山植物・渓谷植物等、学術資料の宝庫でもある。

その成り立ちは、大きく3つのステージに分けられる
土台となる地層の形成(約1,600万年前〜)
かつてこの一帯が海だった頃、海底火山の噴火によって火山灰や噴出物が降り積もりた。これが固まって「緑色凝灰岩(グリーンタフ)」と呼ばれる地層(七谷層)が作られた。
マグマの貫入と柱状節理(約500万年前〜)
地下深くから高温のマグマが、先ほどの緑色凝灰岩の地層に入り込んだ(貫入)。マグマがゆっくりと冷えて固まる際、体積が縮むことで岩体に規則正しい割れ目が生まれる。この割れ目によって、鉛筆を束ねたような四角形〜六角形の柱状の岩(柱状節理)が形成された。
隆起と清津川による浸食(約260万年前〜現在)
地殻変動によって地層が押し上げられ(隆起)、地上に姿を現した。地表に出た岩を、清津川の激しい流れが長い年月をかけて削り取りた(浸食)。硬い柱状節理が削り残され、現在の切り立った深いV字型の峡谷が完成した。

(清津峡トンネル)

かつては、入口にあたる清津峡温泉から上流へ至る遊歩道が整備されていたので、渓谷を眺めながら通り抜けることが可能であった。大崩や、風穴・碧雲・黒岩・銚子滝・屏風岩・臥龍峡・足尾沢滝・足尾沢吊り橋・万寿山・鹿飛橋等見どころが多くあり、訪れる人の胸を打っていた。
ところが、1988年(昭和63)7月31日、遊歩道を散策していた男性客1人が、落石で頭を打ち死亡する事故が発生。以降、遊歩道は通行禁止になった。遊歩道の閉鎖で、1987年(昭和62)度に100,480人を数えた観光客は、翌1988年(昭和63)度には半分以下の47,500人に減ってしまった。
事故後しばらく渓谷美を見ることができなくなっていたが、地元住民や観光客から要望が多数寄せられたことを受け、安全に渓谷美を楽しむことができるよう、中里村(現十日町市)によって、 1996年(平成8)10月1日に、全長 750mの「清津峡渓谷トンネル」 ※GOOGLE 画像 が開業した。3ヶ所の見晴所とトンネルの終点となるパノラマステーションからは、素晴らしい渓谷美を堪能することができるようになった。
2018年(平成30)に開催された第7回大地の芸術祭で、中国の建築家 馬岩松(マ・ヤンソン)氏によって清津峡渓谷トンネルが芸術作品(作品名:Tunnel of Light)となった。
特に、トンネルの終点「パノラマステーション」 ※GOOGLE 画像では床一面に沢水を張り、トンネル壁面にはステンレス板を貼ることで、外の景色が内部空間に映しこまれ、これまでにない新たな清津峡の景観を見ることができる。この幻想的な風景を求めて多くの観光客が訪れる。
観光客数は、2019年(平成31)には20万人を超え、改修されたトンネル内部のアート作品が人気を集め、インスタ映えスポットとしても注目され、2024年(令和6)には年間32万人を突破したという。

トンネルの他、1993年(平成5)度には湯沢町八木沢へ至る登山道も整備された。紅葉の時期には、モミジ、ミズナラ、コナラ、ウルシなどが錦に染まって見事だ。(案内図)

〔名称〕清津峡渓谷トンネル(TunnelofLight)
〔所在地〕〒949 - 8433新潟県十日町市小出癸2119
〔連絡先〕☎025 - 763 - 4800(清津峡渓谷トンネル管理事務所)
〔トンネル全長〕約750m(往復の所要時間:約40〜60分)
〔指定〕日本三大峡谷、国の名勝、天然記念物
〔開館時間〕8:30~17:00(最終受付16:30)1.1.5
〔定休日〕年中無休(※冬期間の積雪状況やメンテナンスにより臨時休業あり)1.1.1,1.1.〔入坑料〕大人(高校生以上)1,000円(通常期1,200円) 小・中学生:400円 ※2026年現在



≪現地案内板≫
清津峡の成り立ち

グリーンタフの時代
今から約1600万年前から300万年の間をグリーンタフ(海底火山活動)の時代と呼んでいます。清津峡のある新潟県も大部分が海の底で、海底火山活動により火山灰が厚く積もり、「グリーンタフ」と呼ばれる緑色の岩石になった時代です。清津峡の七谷層がこれに当たります。

七谷層
七谷硬質頁岩と呼ばれており、下層部は暗灰色硬質頁岩と流軟岩質凝灰岩との互層からなり、上層部は暗灰色硬質頁岩を主としており、それぞれ整合に重なります。清津峡の七谷層は清津峡温泉の南方900mにわたって川沿いに見ることができます。

カルカロドン
わらび平地内の七谷層からホジロザメの仲間であるカルカロドンの化石が発見されています。これは、清津峡がかつては海の底であったことを物語っています。

柱状節理
七谷層に地下からマグマが上昇してきて貫入しているのが、清津峡に広く露出しているひん岩で、柱状節理が発達していることで有名です。
柱状節理とは、岩体を柱状に分離させる割れ目のことで、岩体の冷却時の収縮によって生じると考えられています。



清津峡瀬戸口の湯


清津峡小出温泉



トレッキング湯沢1(清津川トレッキング) ※動画

湯沢町八木沢からフィトンチッド広場 ※GOOGLE 画像まで往復約3時間。日本三大渓谷のひとつ、清津川渓谷の上流部にあたり、八木沢口から栄太郎登り口までならコバルトブルーが美しい清津川沿いを歩く平坦な散策路となっており、気軽に渓谷美を堪能できる。
「美林渓谷」と名付けられたブナ林からは、さかんにさえずるミソサザイの早いテンポの歌声を堪能できる。また、清津川の流れの音が聞こえるトチの森に残された朽ちた木のこずえでオオルリがのどかな歌声を響かせる。
晩秋には秋の実りをせっせと拾い集めるカケスや、カラの群れが忙しく動き回る。(案内図)


鹿飛橋

昭和35年(1960)完成。全長15m、清津川の本流に掛けられた吊り橋、清津川の清流を眼下に見ることが出来る。遊歩道が通行禁止となって以来、付近はあまり整備されていない。八木沢から行くことが出来る。
























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