米山福浦八景 Oginonoshima thatched village 柏崎市



柏崎の海岸線にはいくつもの景勝地があり、特に美しい八つの景観は「米山福浦八景」と呼ばれ、その全長は12kmにも及ぶ。その中でも福浦海岸は鯨波から青海川に至る4㎞の海岸線で、海にせり出した断崖と紺碧の海に連なる奇岩、岩礁が優れた景観を生み出している。
「番神岬」、「御野立公園」、「だるま岩」、「鴎が鼻」、「猩々洞」、「松ヶ崎」、 「牛ヶ首層内褶曲」、「聖が鼻」の八箇所は、日本海の荒波に浸蝕された海岸が続いており、岩礁、岬、洞窟、断崖、断層など景観の種類も豊富で、風光明媚な 岩礁地を作り上げている。

①「番神岬」…美しい砂浜と岩ダナに古い歴史と、悲恋の物語「佐渡情話」という民話を残す
②「御野立公園」…戊辰の役(1868)の古戦場で、明治11年明治天皇が北陸御巡幸の際、野立ちされ風光を賞賛されたことから、御野立と名づけられた。(☛ 御野立公園)
③「だるま岩」…荒々しい奇岩、怪石の中に、対照的 な丸みを帯びた巨岩。岩の形がだるまに似ていることからこの名前がつけられ、海上からは岩のくぼみがだるまの目に見えるという。
④「鴎が鼻」…ここから見る霊峰「米山」と「米山大橋」の光景は、福浦八景一の景観美を誇る。近年は「恋人岬」の名で知られる。
⑤「猩々洞」…総延長85mに及ぶ、夏でも肌寒い洞穴には三種類2万頭のコウモリが混棲する海食洞窟。県天然記念物に指定され、学界の注目を集めている。
⑥「松ヶ崎」…「佐渡情話」の元となる悲恋物語の舞台となった「お弁の滝」がある。遊歩道で望む松が崎周辺は、岩礁群の美しさで有名です。
⑦「牛ヶ首層内褶曲」…一度沈下した地層が再び隆 起してできた地質学的にも貴重とされている。寝そべった牛が水をのんでいる姿に似ているのでその名がついたといわれている。
⑧「聖が鼻」…沈む夕日に照らされて、日本海に直角にそそり立つ。


❏〔問い合わせ先〕 0257-22-3163 柏崎観光協会

佐渡情話

佐渡情話は、佐渡島に伝わる島の娘と他国の男との悲恋の民話。 浪曲師の寿々木米若が浪曲台本「佐渡情話」を執筆して、レコードがヒットして、全国的に知られるようになった。地元では柏崎の船大工藤吉と佐渡小木の娘お弁との悲恋物語として伝えられている。藤吉は柏崎の船大工、お弁は佐渡小木の船宿の娘で、藤吉が小木で出仕事をしていたとき2人のロマンスが実り、藤吉が柏崎へ戻ってからも、お弁は毎晩番神堂の常夜燈を目印にタライ舟で荒海を乗り切り、藤吉のもとに通ってきた。が、藤吉には妻子があり不倫であった、あまりにも激しいお弁の深情けが恐ろしくなり、ある大風の夜、お弁が途中まで来た頃を見計らって、常夜燈の灯を消してしまった。目標を失ったお弁は難破して、そのなきがらは翌朝青海川の海岸に打ちあげられた。それを見た藤吉は海に身を投げてお弁のあとを追ったという。
お弁が打ち上げられた海岸には滝があったため、この滝を「お弁の滝」と呼ぶようになった。
お光・吾作の碑が番神岬にある諏訪神社境内に建てられた。その隣に与謝野晶子の歌碑が建っている。

「たらひ舟荒海も越ゆうたがわず 番神堂の燈かげ頼めば」

「お光・吾作の碑」

  • 〔所在地〕 柏崎市番神二丁目4番35号 諏訪神社