三角だるま(水原 山口人形) Yamaguchi doll 阿賀野市



三角だるまはかつて新潟県内各地、柏崎市、今町(現見附)、三条市、加茂市、新潟市、水原町(現阿賀野市)で作られていた。
丸型の粘土の重しに、紙や経木をラッパ状に巻きつけ、胡粉を塗った。作られる場所によって、目鼻を単に点描したものや、福だるまに似て髭をたくわえ、いかめしい面相のものとがあった。
また、もとは初春の縁起物として、養蚕家は繭が良く起き上がるよう、また漁師は難船してもうまく浮き上がるようきそって求められていたという。 現在、作られているのは、ひょうきんな表情の水原町のものだけになった。

(水原町の三角だるま)

約150年前から作られている山口人形。中でも日本郷土玩具10大人形の一つ、「三角だるま」は、円錐形の起き上がり小法師で、横目違いの愛嬌のある表情が人気。 6代目徳四郎のとき、戦争などの理由で製作が中断されたが、昭和31年(1956)に地元水原町の力強い支援を受けて、製作を再開。三角ダルマの名が郷土玩具として有名になった。ひょうきんな表情が魅力。縁起物だから、結婚式や出産の祝に添えられていた。
昭和52年(1977)の年賀はがきのお年玉欄の意匠として紹介された。

山口人形にはまた京都伏見人形の流れを組む「土人形」や「はと笛」などがある。 「土人形」は京都伏見人形の流れを汲み、粘土で型を作って丸一日焼き、漆を混ぜた絵の具を塗ったもの。時代の流れにつれ色彩に工夫がこらされ、素朴な中にも郷土色の濃い芸術作品として、生まれ変わってきた。6代目今井徳四郎は平成7年(1995)101歳で亡くなる直前まで旺盛に人形を製作していた。
現在、7代目が継承したが、製作を中止されているともいわれる。

山口人形「今井」
〔所在地〕阿賀野市山口町2-7-24
〔特徴〕水原町山口にある今井家、通称「鳩屋」。現在、7代目伝三氏が当主である.


❏〔山口人形を紹介しているサイト〕阿賀野市観光協会 買い物したい

(新潟の三角だるま)

三角だるまの発祥は不明だが、江戸時代の禅僧の良寛が、「おきあがりこぼしに題す」の七言絶句、その下に墨と朱、薄墨を使ってハリコロバシ(三角だるま)を描いた掛け軸が残されている。
新潟市の「みなと人形本舗」は昭和30年頃から『途絶えた三角だるまを復活させよう』という機運に合わせて、今も一つ一つ手づくりで製作販売している。
良寛「おきあがりこぼしに題す」
任人投兮任人笑 人の投ぐるに任せ 人の笑うに任す
更無一物當心地 更に一物として心地に当るなし
寄語人生若似君 語を寄す 人生若し君に似ば
能遊世間有何事 能く世間に遊ぶ 何事やあらん

みなと人形本舗






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