猫ちぐら Cat chigura 関川村



猫ちぐらは、コシヒカリの稲ワラを材料とする米どころ関川村ならではの民芸品。
その昔、農家で使われた子守りのためのゆりかごを「ちぐら」と呼んだが、関川村では「つぐら」と呼んでいたという。これを猫用に改造したものが「猫ちぐら(猫つぐら)」だ。
材料の稲ワラは関川村や近隣の農家に依頼して調達している。コシヒカリの稲ワラは強度があるのに加え、保湿性があるため、夏は涼しく、冬は暖かく保つ。加えて、稲わらの香りは人間にも心地よさを感じさせてくれる。
また材料にもみ付きで乾燥させたわらを使うと、もみの部分がわらの水分を吸収し、しなやかで、つややかなちぐらに仕上がるという。

一番大きなものは約10日間の時間をかけて丁寧に編みこまれ、その手作りの温もりある仕上がりが、多くの愛猫家から親しまれているほか、家庭のインテリアとしても好評だが、年間の生産量は2000個弱。

村をあげて、猫ちぐらを作り始めたのは昭和55(1980)年頃。当時の渡辺村長が猫を飼っており、村の住民が、村長に手づくりの猫ちぐらをプレゼントとしたのがキッカケだったという。
最初は、豪農の館「渡辺邸」に飾っていたが、1982年(昭和57)に村主催の物産展に出品。ペットブームも重なって評判となり、新聞やテレビで全国的に紹介された。東京の百貨店で実演し、村もパンフレットを作ってPR。多い時には年間1000個以上の注文があり、注文を受けてから4~5年待ちということもあった。

道の駅・関川(桂の関)内 地域文化交流施設「ちぐら」では、関川村のお土産を販売している他、名物の民芸品「猫ちぐら」の製作実演が見られる。
しかし一方で、ちぐら作りの技能を持ったちぐらの会会員は高齢化が著しい。1990年(平成2)に52人いた会員数は、2019年(令和元)7月までに20人に減少、65歳から75歳の高齢者が中心だ。ちぐら作りは難しい工程の連続。1個を完成させるのに2週間掛かることから、大量生産は困難という。現在は注文から届くまで4か月ほど。製作者の名前入りで届く。

関川村猫ちぐらの会

〔所在地〕新潟県岩船郡関川村大字上関1252-1 関川村自然環境管理公社
〔連絡先〕 0254-64-3311
〔見学〕道の駅せきかわ内に実演コーナーがある
〔ホームページ〕 http://www.nekochigura.com/
〔周辺の観光施設〕






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