新保岳 Mt.Shinbodake 村上市



村上市塩野町にある下渡山(273m)から葡萄山(795m)まで続く蒲萄山塊の最高峰。標高852m、花崗岩からなり、山体はゆったりとしている。一等三角点(補点)がある。海府海岸の浜真保の真東にあたり、海府山とも呼称されることもある。浜新保集落と塩野町集落の分水嶺となっている。
新保岳一帯では、かつて木炭の生産が盛んにおこなわれ、また、海岸線に面する一帯も太平洋戦争中にブナの伐採が行われたため、現在の自然林は二次林となっている。
昭和47年(1972)に地元山岳会が登山道を開いた。登山道は尾根伝いについており、キタゴヨウマツ、ブナなどの樹木のトンネルを通る道は夏でも涼しい。山頂直下のブナ林は海からの風の影響を受け、近隣の山域では見られない樹形を見ることが出来る。
現在、塩野町から日本海側の浜新保までの林道工事が進められ、林道新保岳線が登山道を横断しているため、登山口は2ヵ所ある。新登山口は広域基幹林道新保岳線を旧登山口を過ぎた3.5kmほどの所にある。新登山口からは1時間あまりで山頂に到着できる。ただし旧登山口から入山する場合は登山道の整備状況を事前に確認したほうが良い。

🔶『旧登山口』からは赤沢尾根の一本調子の急坂である。20分ほどで立ち枯れたアカマツのの『夫婦松』に到達、道脇にイワウチワタムシバホツツジの花を見ることが出来る。これをすぎると、比較的緩やかな尾根が続き、40分ほどで『一息平』となる。春はイワウチソウ、秋はアキノキリンソウなどが咲く。周囲は樹木が鬱蒼としていて、視界はあまりきかない。さらに松の間を行くと舗装された林道に出る。
右に120mほど下ると、左手に『新登山口』がある。
(新登山口が開かれる前の登山道は林道との交差点を直進したが、急登の岩場に道がつけられロープや鎖が設置されていた。)
🔶『新登山口』からは木の根が絡み合う急な登りが続く。やがてブナの木々が見え始め、初夏はミツバツツジもきれいである。40分ほどで『見晴らし台』に着く。木々の間から、朝日連峰が望める。ここからは緩い傾斜の登りが続く。
頂上付近のブナの巨木の林『ブナ平』は「ブナ林100選」にも選ばれたブナの原生林で、新緑の頃はミスミソウ、タムシバ、イワウチワが登山道を飾る。ブナは特に、春の新緑、秋の紅葉は見ごたえ十分だ。
さらに10分灌木の急坂を登ると、一等三角点(捕点)のある新保岳山頂に出る。
やや広い山頂周辺はきれいに刈り払われていて、ちょっとしたスペースがある。天気のよい日は日本海に浮かぶ粟島が、北に葡萄山とやや左手には日本国の小さな三角錐の形や、鳥海山、月山が見え、東に朝日連峰、南に飯豊連峰を遠望できる。(案内図)


























新保岳 塩野町新登山口 塩野町旧登山口 国道入り口