二王子岳 ( にのうじだけ ) Mt. Ninoji 新発田市



新発田市と胎内市にまたがる飯豊連峰の前衛峰として、新潟市や下越地方の平野部から南北に裾を広げる山容を見せている。日本二百名山の一つに数えられる。
古来より信仰の対象となっている山で、農耕の神山として、阿賀北一帯の農民から「にのじさま」の敬称で信仰を集めてきた。
標高300mの登山口、二王子には大きな社殿を持つ二王子神社がある。
二王子神社本殿(祭神は大国主命、豊受姫大神、一言主命、熊野加布呂姫命)は、天保7年(1836)創建といわれるが、昭和24年(1949)に焼失し、現在の本殿は昭和42年(1967)に再建されたものである。
山名の由来は、山中に「一ノ王子」「二ノ王子」「三ノ王子」「四ノ王子」があり、昔は頂上の奥の院が女人禁制であったため、老幼婦女子も参拝しやすい山麓近く、現在の神社拝殿がある二ノ王子に、遥拝所を設けたことに由来するという。
昭和46年(1971)に二王子神社までの林道が開通して以来、多くの登山者に親しまれ、新発田周辺の山々の中で一番多く登る山になった。

頂上からは360度遮るものがない。飯豊の最高峰大日岳(2,128m)、御西岳、飯豊山、北股岳といった飯豊連峰の高峰が眺望され、その大パノラマに魅了されてこの山に登る登山者も多い。弥彦山や角田山、朝日連峰や鳥海山(2,327m)まで眺望できる。よく晴れた日には遠く越後三山や会津駒ケ岳なども見ることが出来る。頂上付近ではニッコウキスゲが咲くのお花畑が広がる。

🔶南俣口コース

登山道は神社前の炊事場脇から登る。1合目の標識のある杉が現れると急登が始まり、雑木林を行くと、春はチゴユリナルコユリ、夏はエゾアジサイミズヒキシモツケソウが道端を飾る。その昔、女人禁止と知りながら山に入った女性が石になったという伝説の『神子石』があり、そのすぐ上に2合目の水場がある。道標は山頂まで一合ごとおかれているので、自分のいる位置が簡単に確認できるので、頂上を目指して登る励みとなる。
急登が続き、やがて平になった杉林の中に一王子神社の石祠があり、すぐ先に15人ほど収容できる『一王子避難小屋』がある。また三合目の標識と水場の標識があり、50mほど下ると水が得られる。水場には春にはミズバショウサンカヨウユキツバキサイゴクミツバツツジなどが咲く。
足下にショウジョウバカマオウレンモミジカラマツの緩登から、初夏にはタニウツギが咲く急坂を登る。標高994.4mのピークは独標または『定高山』と呼ばれ、五合目の標識が立っている。さらに登りモリアオガエルの生息する『鴨池』を過ぎ緩登を繰り返し、『油コボシ』の急坂となり七合目の標識がある。
小さい低木の中を進むと三王子の石祠があり、祠の脇を通って、稜線に出て山頂までなだらかなと登坂となる。
背の低い灌木帯に入り、左奥に山頂が見え始めると『お花畑』も近い。踏み跡ほども小さな道が左へ降りているので、小さな花々を踏み荒らさないように注意して高山植物を鑑賞する。
初夏にはコイワカガミウラジロヨウラクミツガシワオオバミゾホオズキヘビイチゴハクサンチドリオオサクラソウなどが見られる。
登山道に戻り『琵琶池』を過ぎれば展望も開け、菅名岳、粟ヶ岳などの川内の山々が聳え立つのを見ることが出来る。
二王子神社『奥の院の祠』を過ぎると、山頂はもう目前である。二本木山への分岐を過ぎ、頂上直下の30人収容の『避難小屋』に出る。
山頂には三角点、青春の鐘、飯豊連峰展望図がある。飯豊連峰が広がり、圧巻の大パノラマに息をのむ。
























二王子岳 二王子岳避難小屋 田貝登山口 一王子小屋 お花畑