頸城駒ケ岳 Mt.Kubiki Komagatake 糸魚川市
海谷山塊は新潟県の南西部に位置し、標高1500m前後の低山が点在する山域である。 海川と姫川支流の根知川に挟まれた、海谷渓谷※ストリートビュー左岸山稜の一座で、鬼が面山、鋸岳※ストリートビューと合わせて山塊を形成している。 対岸には鉢山、阿弥陀山、烏帽子山などが山塊を形成し、登山道はまだまだ未整備の山が多い。両山域にはさまれた海谷渓谷の渓谷美を作り上げている。 他の山が切り立った形をなす中で、駒ケ岳はドーム状の形状をなす。冬には全長100mを越えるカネコロン(大つらら)ができる。駒ヶ岳東側には「越後の上高地」と呼ばれる海谷高地(732高地)がある。 登山ルートは西海地区からと根知地区からのルートがある。根地大神堂集落からの登山道は断崖絶壁に自然が作り出したバンド(労山バンド)を通る、荒々しい景観を眺めるコ-スである。これに対して、西海地区からの登山道は樹木の茂る所に垂直につけられているルートである。 西海登山口を左に入って入っていくと渓谷の仙丈ケ岳の大岩壁※ストリートビューを眺望できる。この岸壁は安山岩という火山岩でできており、約400万年前の海底火山から流れ出た溶岩などがその後隆起して地表に現れたものといわれている。 頂上付近には美しい巨大なブナの原生林やミズバショウも見られるが、西面と南面の山腹は、安山岩の断崖絶壁を誇示する、巨大な岩山である。 頂上の小さな広場には一等三角点と小さな祠があり、ここから雨飾山が目の前に広がり、とても展望が良い。(案内図) 🔶西海ルート 海谷三峡パーク駐車場の入口に登山口標識がある。一般車両進入禁止の林道を進むと、15分ほどで緑の三角屋根のロッジ駒ケ岳に出る。ロッジの前からヤマアジサイの咲く登山道に入る。3回ほど水のない沢を渡り本格的な登りになる。最初の梯子を登り、通称「ジョウゴ」と呼ばれる岩肌がむき出しになっている所を越す。梯子やロープを頼りとする登山道は急登となる。前を行く人の靴裏を見て登るような急登の連続だ。 急登が終わると巨大なブナ林に出る。巨大な2本杉に着くと近くにはミズバショウが咲くぶなの泉がある。ブナの森を登り切ると、ナナカマド、ドウダンツツジなどが彩る頂上へと続く尾根に出る。しばらくすると根地谷コースと合流し、小さな祠が祀られた駒ケ岳山頂に着く。先の鬼ヶ面山、鋸岳への縦走は健脚向きで、来た道を戻る。 ☯2019年(令和元)6月2日、山開きに参加していた埼玉県鳩山町の男性が転落し全身を強く打って死亡が確認された。 海谷渓谷梶山元湯温泉 動画開湯は宝暦5年(1755)。江戸時代から洞窟内に湧き、地元の人が愛用していた湯。急峻な山道を40分ほどかけて歩いた標高650メートルほどの斜面にあり、ガイドなしで行くのは危険。 洞窟は奥行き約30m、幅約1・5m、高さ約1・8m。湯温39度で赤茶色の湯花が浮く。最奥の源泉付近はミストサウナ状態だ。 現在は個人所有の温泉になっているため、許可なく入ることはできず、根知地区の地域づくり組織「根知未来会議」所主催の洞窟温泉ツアーに参加した人だけが入れる。
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