光兎山 ( こうさぎさん ) Mt.Kousagisan 関川村



米坂線の荒川温泉郷で知られる岩船郡関川村の北方に、端麗なる三角錐形の容姿が光兎山だ。標高はさほど高くないが、独立峰のため、伊能忠敬が日本地図を作る際測量に使った山としても有名。また、日本海往来の北前船の船頭が位置確認の目標にしたほど、遠くからでも頂が確認できる。
定観3年(861)「比叡山延暦寺」座主慈覚大師の開山といわれ、以来羽黒山伏の道場となった歴史を秘めた山で、麓の宮前集落に小兔神社がある。昔から信仰の山として近郷の人々に親しまれており,昭和24年(1949)までは女人禁制の山であった。

小兎山の山名の由来は、春の残雪期頂上直下に「立ち兎」の雪形が現れることに由来するといわれるが、古文献には香鷺山・光鷺山・鴻鷺山とある。

光兎山の登山口は、中束口と千刈口の2つある。ここでは一般的な中束口コースを紹介する。登山口に着くと、駐車場は林道脇にあり5~6台のスペースがある。登山者名簿入れのポストが設置されている。
三角点のある『虚空蔵峰』には文化年間の刻みが残る石灯篭があり、通ってきた女川流域の眺めが良いが、光兎山はまだ見えない。
ブナ林のアップダウンの道を進み、『観音峰』に達すると、古い整地跡に小さな祠があり、30人ほど休める広さがある。ここから始めて光兎山を望むことが出来る。ブナ林の急坂を登と『雷峰』である。前方にピラミッドの形にそびえる光兎山が望まれる。峰の肩に雷権現が安全登山を見守っている。
雷峰を過ぎ、女人禁制の禁を破って登山した女性が石になったという『姥石』がある。

低山ながら頂上まで往復7時間余りの尾根歩きは楽ではない。 頂上には小さな鳥居と祠、20~30人が休める平坦地となっている。日本海から飯豊・朝日連峰、鷲ヶ巣山など360度の展望がすばらしい。(案内図)



光兎神社

関川村の風光明媚な清流・女川のほとりにある。ウサギがシンボルの神社。貞観3年(861)、天台宗の慈覚大師が光兎山を開山し、その頂上に「光兎大権現」を祀ったのが始まり。
神仏分離令が施行され、明治2年(1869)に「光兎神社」と名前を改めた。

御祭神は月読尊と光兎大神。月の神の使者と考えられるウサギが灯籠や賽銭箱、境内の至る所にあしらわれ、さらに御朱印やおみくじ、お守りにも。驚くのは、拝殿に黄金に輝く2羽のウサギ。「金箔兎神像」といい、願掛けしながら金箔をウサギに貼り付けるのだとか。祈願し、運気を跳ね上げたい。
奥宮が兎山山頂(標高966m)にある。月にウサギが住み、月から最も近い光兎山山頂に月読尊が宿るとされてウサギが使者と考えられていた。

  • 〔御祭神〕 月読尊 ( つきよみのみこと )光兎大神 ( こうさぎおおかみ )
  • 〔所在地〕 岩船郡関川村宮前39-4
  • 〔問い合わせ先〕 0254-64-0095









Kousagi Shrine

The deity Kousagi Okami and the moon god Tsukiyomi-no-mikoto are worshipped at the shrine. Rabbits are believed to be messengers of the moon god and are decorated throughout the shrine.









光兎山 中束登山口 県道273号線から中束登山口への標識 千刈登山口 県道273号線から千刈登山口への標識 光兎神社