日蔭山 Mt.Hikageyama 津南町



日蔭山(ひかげやま)は、新潟県十日町市と中魚沼郡津南町の境にある苗場山からの稜線にある山である。
別名「三ノ山」、または「笠ノ山」。苗場山の4kmほど北に位置する。
この山の北西、標高1500m前後の場所には、湿原とオオシラビソが点在し、2km四方にも広がる小松原湿原がある。「小尾瀬」と呼ばれるほど豊富な植生の場所となっている。湿原内には立派な避難小屋と水場がある。
日蔭山は苗場山のメインコースをはずれていることやアプローチが長いこともあって、訪れる人も少なく、静かな登山を楽しめる。
山頂からは苗場山をはじめとして、右手に鳥甲山、岩菅山、遠く火打山、妙高山、左に神楽峰、霧ノ塔が望める。(案内図)




【小松原湿原】

小松原は苗場山(2145.3m)の北約4kmに位置する緩傾斜地で、標高は1400mから1600m。その西側は中津川の谷に接し、東側は清津川の支流釜川の上流域にあたる。その広さは約2km四方余りで、広葉樹林の中に湿原および針葉樹林がモザイク状に配列されている。
北から南へ標高差200mの間に「下ノ代」、「中ノ代」、「上ノ代」と呼ばれる三段の標高の異なる湿原からなり、穏やかな斜面に「地塘」が点在し、夏の短い期間にはたくさんの高山植物が一斉に花を咲く。
その昔、平家ゆかりの内大臣小松少将重盛がこの湿原に魅せられて居住したという伝説があり、それに由来して名付けられたという小松原湿原。
小松原湿原の付近は国有林で水源かん養保安林です。また小松原湿原一帯は昭和53年(1973)5月に新潟県環境保全特別地区に指定され自然のままに保護されている。

🔶大場コース

町の中心の大割野から車20分、大場林道ゲート(通行止)に到着。大場林道ゲートから6.6㎞ほど徒歩120分で大場林道登山口。
大場林道登山口から林道を徒歩10分で小松原湿原の下ノ代に着きます。湿原状の所にはウラジロヨウラクサクラドウダンハクサンシャクナゲなどの花木が見られ、木道の両端をワタスゲヤマドリゼンマイなどが彩っている。オオシラビソの中を10分ほど歩くと「下ノ代」で一番大きな湿源に出る。黒滝コースとの合流点で、モウセンゴケツルコケモモクロマメノキサワランといった代表的な湿原植物が目に付く。

川を渡りブナ林の中を進むと登りとなり、木道の階段を越えると「中の代」で金城山見倉コースの分岐点に出る。湿原と林の中を交互に通るコースとなり、木道の両側にはヒメシャクナゲコバイケソウミツバオウレンウラジロヨウラクベニサラサドウダンなどが咲き誇る。

「中の代」を歩くこと30分、急な登りを登り切ると「上の代」となる。木道のすぐそばにオオシラビソ、コメツガ、クロベが一緒に生育している。上の代を通過すると小松原避難小屋がある。


  • 〔湿原の標高〕

  • 上屋敷 1,550m 中屋敷 1,500m 下屋敷 1,350m
  • 〔植物の見頃〕

  • 7月中旬~8月中旬 ワタスゲ、コバイケソウ、キンコウカなど
  • 9月中旬~下旬 ベニサラサドウダン、ナナカマドなどの紅葉

小松原のブナ林

小松原湿原のまわりは針葉樹のオオシラビソがとりまき、登山道を下の代・中の代・上の代と登っていくと、湿原、オオシラビソ林、ブナ林が交互に出現する。ブナの天然林ではムシカリナナカマド、コハウチワカエデ、チシマザサなど植物が四季おりおりの彩を添える。そして小松原避難小屋を過ぎるとダケカンバの巨木が混生するようになる。



























日蔭山 小松原林道入口 登山口(小松原湿原入口) 小松原避難小屋 見倉トンネル登山口 下の代 中の代 上の代