鰐清水 Wani Shimizu 佐渡市
| 赤泊の東端、山田東地区から二王木を越え、畑野丸山に通じる道筋の、昼なお暗い雑木林に囲まれて、心地よい風が流れ込む標高約400メートルの山あい、車を降り、徒歩で60m下ったところに湧水口がある。にある。水源からはきれいな水が絶えることなく流れ出している。山の斜面に開かれた棚田に注ぎこみ、耕地を養っている。 湧水量は南佐渡随一の一日1500㎥であり、天候に左右されず、澄み切った水が湧き出していて、その水量は変わることがない。※ストリートビュー この清水には名前にかかわる伝説が残っている。昔、村人が山で飲んだ水が、あまりにおいしかったのでその水源を確かめようと、山に分け入ったところ、ワニが地中から首だけ出して水を吐き出しているのを見た。 その話を聞いた村人達が、大勢でワニに石を投げたり、棒でたたいたりしたので、ワニは地中に隠れてしまった。それでも、清水の湧出口がワニの形をしていたので、誰いうともなく「鰐清水」と呼ばれるようになった。今は岩が欠けて鰐の形は見られない。 島内の北雪酒造の販売店でつくる「佐渡北雪会」のメンバーらが立春発売の日本酒用に毎年大寒の時季に合わせて水汲みをおこなう。 また現在では、豊富な湧出量(毎分約600L)を活かし、周辺の農地を潤す水源として地域のおいしい稲作農業を支えている。 (言い伝え)🤩鰐の姿をした岩の伝説昔、この湧水の出口には鰐の頭の形をした大きな岩があったと伝えられている。その岩の口からこんこんと清らかな水が湧き出ていたため、「鰐清水」と呼ばれるようになった。残念ながら、長い年月の間にその岩は欠けてしまい、現在は当時の鰐のような姿を見ることはできない。 🤩水の神様への信仰 この場所は古くから地域住民にとって大切な水源であり、「水の神様」が宿る聖域として崇められてきた。どんな日照りが続いても水が枯れることがなかったため、農作物を守る恵みの水として感謝されてきた。現在も、地元の酒蔵(北雪酒造)が「大寒」の日に身を清めて取水を行うのは、この聖なる水の力を酒に宿すという信仰に近い伝統が受け継がれているからだという。 🤩佐渡と「鰐」の不思議 実は、佐渡(日本)には爬虫類のワニは生息していないが、古語や伝説における「ワニ」はサメ(鮫)を指すことが多い。海の神の使いであるサメが、山の湧水地に現れたという伝説は、海に囲まれた佐渡島ならではの神秘的なエピソードといえる。 |
|
|

