出壺の水 Water of Detsubo 柏崎市


黒姫山の中腹から湧き出しており、豊富な湧水量と清冽さで知られる。1日の湧水量3,888トン、水温は常に7℃という冷たさであり、森の中にぽっかり空いた水辺はオアシスのような佇まいを見せる。
出壺の水へは、林道の終点・黒姫山登山道との分岐点から、道しるべに従って平坦ではあるが断崖上の細い水路跡等を40分ほど進んでたどり着く。
道しるべの標識には「黒姫山のブナ林を通して湧き出る清水で、春先には水量が毎時1万トンを超え、水のおいしさと豊かさを私たちに教えてくれています。」と記されている。
この清水はかつて谷川新田の水源であった。文政年間(1818-1830)、柏崎町の谷川津兵衛は出壺の水源から黒姫山山腹を延々2.5㎞引水し、江戸ヶ平に新田を開発してここを谷川新田と名付けた。津兵衛は私財2000両をなげうち、ノミを振るい岩盤を突きぬくなど、人力の限りを尽くして水路を完成させたのであった。しかし、現在は、住む人もなく、切り開かれた棚田のあったあたりに千本桜が植樹され、また、地元の人々によって谷川津兵衛を偲び頌徳碑が建てられている。
出壺の水源からは、清水川にも流れ出して、清水谷全体をも潤しており、その恵みの大きさに対して、地元の人々の感謝の念は計り知れない。

































出坪の水 林道・登山道分岐点 谷川新田の八重桜 林道入口 黒姫山登山口