石落し Ishiotoshi 津南町
津南町のグランドキャニオンとも呼ばれる中津川渓谷の柱状節理。 中津川の浸食をうけ地形が階段状になる河岸段丘となっている。長野県栄村から続き、その規模は国内最大級。 中でも、津南町見玉集落の「石落し」と呼ばれる崖は、魚沼層群などの地層の上に約30万年前に噴火した苗場山の溶岩が固まる過程で大気や大地に冷やされて収縮し「柱状節理」と呼ばれる特徴的な縦じまの岩肌を形成する。 「石落し」の高さは、約330メートルに達する。 冬場、吹き付ける雪の水分は岩の隙間に浸透して凍り、岩をもろくする。雪解けの時期を迎え、氷が溶けると、岩の一部が音を立てて崩れる。ガラガラと音を立てて落ちることから地元の人は「石落し」「石落ち」などと呼ぶようになった。。 2011年(平成23)3月12日 、長野県北部地震が発生一帯は大きな地震に襲われた。栄村で震度6強、津南町で震度6弱を観測。土砂崩れや雪崩などによる被害は大きかった。 震災後、河岸段丘などの周辺の特徴的な地形で観光振興を図り、復興に役立てようと津南町と栄村が協力して準備を進め、2014年(平成26)12月に「苗場山麓ジオパーク」として認定された。 見玉公園には、池や四季折々の高低木、草花があり、遊歩道が整備されている。遊歩道を進むと、柱状節理の見事な景観が広がる。 ≪現地案内看板≫
地表面の下には、30数万年前に噴出して流れ出した苗場山の溶岩が厚く堆積しています。この厚い溶岩壁を、中津川が30万年以上もの時間をかけて侵食したことにより、この岸壁が形成されました。侵食によって生み出された岸壁は、岩肌が柱状に見えます。このような岸壁を「柱状節理」と呼び、熱い溶岩が冷えて固まるときに規則的に生れる割れ目です。 また、この溶岩層の下には段丘礫層や魚沼層群と呼ばれている地層があり、その溶岩との境界から水が湧き出しています。この岩肌は、雪解け時期になると雪崩とともに岩が崩落する際に、大きな音を立てて落ちることから「石落し」と呼称されています。 |